働きながら大学で学び4年間で卒業した経験があります。実体験をもとに働きながら大学を卒業する勉強方法のコツについて説明します。
こちらの記事では、わたしの経験をもとに、法政大学 通信教育部 法学部法律学科の攻略法を書きます。
働きながら大学を卒業する勉強方法は、どの学部でも共通していると思うので参考になると思います。
キャリアップのため大学に入学を検討している方、すでに入学しているが、なかなか勉強方法を確立できていない方の一助になれば幸いです。
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通信制大学の特徴は、通学過程に比して学費が安く、テキストを使った自主学習が中心なので働きながらでも学ぶことができるシステムです。
わたしは専門学校を卒業したので、大学で学んだ経験はありませんでした。40歳になる前に今後のことを考えて大学を卒業しておこうと考えるようになりました。社会人になってから大学で学ぶことは、今後のビジネスパーソンとしてのキャリアを考えても、よいことだと思ったからです。
法政大学は、日本で最初に開設された通信課程なので70年の歴史があります。多くの諸先輩方が卒業をした実績があり、通学課程と変わらない質の高い教育を受けることができます。
<参考:3年次編入で4年で卒業した場合>
スクーリング(2単位):15,000円
メディアスクーリング(2単位):20,000円
わたしの場合、入学金、スクーリング費用、教育費をトータルして、入学〜卒業までの4年間で90万円くらいだったと思います。3年目のスクーリング費用が最も多いのですが、これはテキスト学習による単位修得が計画通り進まなかったのと、他学部の講義も受けてみたくなったので、スクーリング、メディアスクーリングを厚めに受講したからとなります。通学過程に比べるとかなり安いのは事実ですが、通信制大学としてはスクーリング費用が多めにかかっています。だいたい毎年20万円くらいの金額を学費として想定していれば大丈夫かなと思います。
このほかに必要な費用は、科目ごとに指定のテキスト、参考文献が必要です。参考文献も科目ごとに指定はありますので、全部を新品で揃えようと思うと結構お金がかかります。テキストは高いものだと4,000〜5,000円程度しますが、わたしの場合はまずはAmazonで中古のテキストを探して入手していました。ほとんど使われた形跡がない新品とかわらないテキストが1円〜1,000円くらいで販売されていたりしました。ちなみに、アマゾンプライムは、学生証を登録することでPrime Student会員として割引を受けることができます。登録したほうがよいでしょう。
知ってる人は始めてる!マンション経営法政大学法学部の卒業難易度は高いと思います。一説によると5〜10%といわれていますが、卒業率の定義がよくわからないので、卒業率はどうやって計算するべきなのか個人的に疑問です。
卒業難易度が高いと思われる理由は、大学入学までは順当にすすむのですが、通信制大学の学び方の基本は、テキストを使った自主学習なので、通信の学び方が肌に合わないで中退することも多いようです。わたしは中退に理由があるならそれでよいと思います。また別な新たなことにチャレンジするから大学での学びに区切りをつける、というのでしたら、それはきっとよい選択だと思います。
なお、学習のサポートがあるかというと、体験でいうと、事務手続きの確認は可能ですが、学習上のサポートは、ほぼないと考えておいたほうがよいでしょう。
通信制大学に入学する前に大学卒業した方、専門学校卒業した方などは、単位が認定されて、3年次編入ができる場合があります。わたしは3年次編入しました。ほぼ、専門科目(法学)に特化できましたが、卒業まで4年間かかりました。卒業までの期間としては3年次編入の場合は最短2年です。たしか、わたしの後に3年次編入した方は、働きながらでも、2年半で卒業したようですね。
わたしの場合は、入学当時に卒業までの単位修得予想をスケジュールに落とし込んで、ざっくり、3年半で卒業する目論見でした。そのスケジュール通りにはいかなかったのですが、大まかに毎年24単位くらい修得できるように調整をしていました。3年半で卒業するにはあと2単位足りませんでした。
もし1年生からスタートしたら、わたしの場合は、7〜8年の年数が必要だったと思います。働きながら卒業を目指すのは、長丁場のチャレンジになることをあらかじめ念頭においたほうがよいと思います。
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1年目 | 憲法、民法総則、刑法総論、倒産法、行政法、労働法、労使関係論、親族法・相続法、手形・小切手法、政治学 |
2年目 | 債権総論、刑法各論、債権各論、商法総則・商行為法、国際法各論、政治学 |
3年目 | 保険法・海商法、国際法総論、会社法、刑事訴訟法、政治学 |
4年目 | 商法総則・商行為法、刑事訴訟法 |
法学部の専門科目はこのような順序で取り組みました。専門科目の多くは3年次にならないと修得ができません。詳細は学習のしおりを確認しましょう。専門科目の名称に色をつけてみました。大きく捉えて同じカテゴリになると思いますので、勉強する順序としては固めて勉強すると効率的です。
学ぶ順番で悩むことはありませんが、わたしの経験上は憲法、民法総則をしっかりと押さえてから、他の科目に着手するのが良いと思います。一般的には○○総論、○○各論という科目名の場合は、総論からが学んで各論に進むのが順番として適当かもしれません。スクーリングで受講する場合は各論→総論の順番になった科目がありましたが、とくに問題ありませんでした。テキスト学習の際は参考にするくらいでよいと思います。
1年ごとに表へまとめましたが、だいたい2〜3科目を並行して学びます。テキスト学習をすすめて、リポートを提出すると、単位修得試験(年8回)を受ける権利が発生します。単位修得試験は開催月はほぼ毎回申し込んでいました。毎回、試験に参加することが単位修得のスタートラインです。単位修得試験は、なんとか都合をつけて毎回試験を受けることができるようにリポートを提出しましょう。
単位修得試験は最大3科目まで申し込みができます。1日で3科目分の試験が受けられるので、もし4単位の試験に3つ合格したら、その1日だけで最大12単位修得が可能です。これはすごいことです。わたしが半年かけてようやく12単位を修得できるペースだったので。単位修得試験で単位を修得することが、単位修得においてもっとも効率的でしょう。わたしの経験では、3科目受験するためのリポート提出が追いつかなかったので、3科目受験はできませんでした。だいたい2科目受験を申し込みをして、どちらかの科目が合格する、あるいは2科目とも不合格になることが多かったです。それでも単位修得試験=スタートラインに立ち続けることが重要です。
余談ですが、テキストを使った自主学習のため、単位修得に至らず、断念した科目もあります。卒業要件として必要な単位が揃ったので、選択しなかった科目もあります。(物権法、教育法、刑事政策など)もし、勉強して肌が合わない場合はいったん他の科目に切り替えても構いません。他の科目を学んだあとにまた勉強をはじめるとすんなり理解できる場合もありました。
法学部の専門科目の勉強だけだとせっかく大学に入ったのにもったいないので、気分転換をかねて、他学部の講義も受講しました。たとえば、マーケティング、経営学、古典(源氏物語)、世界史などはメディアスクーリングや対面の講義で学んでいます。毎日、法律の勉強だけだとつらい時が来ると思いますので、気分転換として活用してもよいでしょう。※別途スクーリング費用が必要です。単位は卒業要件の単位として組み込まれますが、たしか上限があったので注意してください
働きながらだと勉強時間が圧倒的に足りませんでした。わたしの場合は平日に細かく勉強時間を積み上げて勉強時間を増やしていました。大切なのは、毎日、n時間勉強することを決めて、愚直にそれを守り、テキストと向き合うことです。実際のところ、なれないうちはテキストに向き合う時間の半分も勉強集中できないと思いますが、一度決めた時間数を必ずテキストと向き合うことで稼働率(勉強時間から休憩時間、勉強以外の時間を引いたもの)はいずれ高くなっていきます。勉強効率の問題は後からちょっとずつでも改善すればよいのですが、日々の生活の中で勉強時間をしっかり確保しておかないと、年単位で勉強を継続することが難しいと思います。
働きながら大学で学ぶには勉強時間の確保が必要なのですが、実際のところ、今まで通りの生活を続けながら、大学の勉強時間を確保するという考え方には無理があります。趣味などで、いままで費やしていた時間を見直して、いままで費やしていた時間の中からなにかを削って、時間を捻出する覚悟が必要です。コロナの影響で飲み会に参加することはあまりないと思うので、自主学習しやすい環境かもしれません。
手っ取り早いのが、睡眠時間です。朝早くおきて1時間でも2時間でも早くおきて勉強する。睡眠が足りなくなるという懸念もあるかもしれませんが、1時間くらい早く起きる程度であれば誤差の範囲ですし、慣れればそこまでの苦労はないと思います。もし、体がなれなくて日中に疲れを感じるようなら、お昼休憩のあといに5〜10分程度目を閉じて休むのがよいでしょう。
通勤で電車を使っている場合は、確実に大学の勉強時間にあてましょう。同じ電車内を見渡すとスマホを操作している方も多いと思います。ですが、電車内をよくみてみると、熱心に勉強している方もいます。電車で同じ時間を過ごすなら、勉強している方からよい刺激をいただいて、テキストを1ページでもめくるようにしましょう。スマホがどうしても気になるのもわかるのですが、電車の中で確認しなくても大丈夫なことが多いと思います。スマホのゲームは退会して、スマホと適切な距離を置くようにしましょう。電車の中ではスマホを確認しないことを3週間も徹底すれば、自然とテキストに目が向くようになると思います。
中学生の頃は、朝学で10分くらいの間にミニテストをこなしたりしてたと思います。小刻みに勉強しましょう。たとえば、出社直後の10分間は、自分のノートを読むなどの時間に当てるのがよいと思います。ただか10分ですが、こういったちょっとの積み重ね、習慣は、毎日の継続すると効果が大きいと思います。待ち合わせの合間にちょっとノートを読み返す。こういうことをぜひ取り入れてみましょう。
休日ですが、社会人として勉強以外のこともたくさんこなす必要がありますので、平日よりも若干少なめの勉強時間になりました。あくまでわたしのペース配分なので、もし可能ならば休日は平日よりも多めに集中して勉強できます。ただし、家族と過ごす時間まで大幅に削る必要はないと思います。家事の分担があれば、家事をおろそかにしないように、気を配りながら勉強をしましょう。家族は最大の味方であるとともに、一度不満が爆発してしまうと、おそらく勉強している姿を見るたびにイライラするようになってしまいます。そんな状況が3年も4年も続いたら大変なことになってしまうので、家で勉強するときも緊張感を持ったほうがよいでしょう。
平日:朝1時間、通勤30分の往復、昼食後15〜30分、帰宅後1〜2時間=最低3時間
休日:朝1時間のほか2〜3時間
大型休暇:GW、夏季休暇はスクーリング
知ってる人は始めてる!マンション経営大学での学びは長丁場になりますので、モチベーションを維持することが大切でした。自分のペースを確立して維持することがもっとも重要でしょう。何事も無理をすると長くは続きません。
勉強をするモチベーションを維持するためにも、仲間と学習進捗の状況を報告するのもよいでしょう。苦労しながらも単位を積み重ねている方の話はとてもよい刺激になったと思います。
通勤電車で勉強する習慣がついてくると、どこでも勉強ができるようになります。わたしは海外旅行が好きなので、在学中にニューカレドニア、上海、無錫、泰山、厦門、タイ、カンボジア、セブ島などに行きました。移動中の飛行機でも、ホテルでも、テキスト学習は欠かすことがありませんでした。旅行で気分転換にもなるのでたまに環境をかえて勉強するのもよいと思います。
温泉に入って気分転換するとか、都内のビジネスホテルで勉強するのも気分転換になるのでよいと思います。こういった息抜きは長丁場のチャレンジにはとても大切なことなので、仕事と勉強だけに偏りすぎないよう注意してください。
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通信制大学は最短の期間で卒業をする必要がありません。時間とお金に余裕があればそれこそ生涯学習として長く在籍している方もいらっしゃいますし、無理に卒業を急ぐ必要がありません。自分のペースで学んでよいのです。
入学直後に勉強方法がわからずに躓いてしまい、半年あるいは、1年間まったく勉強しなかった人は案外たくさんいます。通信制大学では多数派だと思います。卒業生のほとんどの方が、初期段階の勉強方法がわからずに躓く経験をしています。躓いたことをバネにして、その後は熱心に、愚直に勉強するようになるのです。勉強時間をしっかりと確保して、まずはテキストの目次に目を通して、毎日1ページでもテキストをめくりましょう。
一度躓いた後に卒業をめざす気力が湧いてきたら、まずは卒業までの大まかなスケジュールをたててみましょう。そして、これからの1年は目一杯がんばりましょう。最大限やってとれた単位が仮に20単位なら、2年目は同じくらいがんばらなくても、同じくらいの単位がとれるようになるはずです。3年目は2年目より、余裕がもてることでしょう。学ぶことを通じて自分も経験を積むので単位修得の効率は2年目、3年目になると、これくらいの時間をかけて勉強すれば単位が修得できるだろうという感覚が備わってきます。
1年目に目一杯がんばった単位修得ペースをベンチマークにして、その後は過剰に無理をしないで、2年目、3年目とペースを守って単位修得を積み上げていきましょう。単位修得予定の予実をチェックして、1年目に修得した単位と同じくらいの単位を確実に修得できるように、計画を調整しましょう。
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<新たに法律に関する業務を担当>
社会人になると学ぶ機会がなかなか得にくいので、腰を据えて学ぶことができる環境でよかったとつくづく思います。体感として大学を卒業した直後に劇的になにかが変わるということはないのですが、わたしの場合は在学中から、新たに法律に関する業務を担当するようになりました。法律に関する業務をみずから希望したわけではないのですが、大学で学ぶ姿勢を見てそのような判断になったようです。大学で学んだ法律の知識がビジネスパーソンとしての新たな軸になりました。
<自己満足、自己肯定感、達成感>
人生を終えるとき人は挑戦しなかったことを後悔するそうです。大学での学びは、自分で勝手にはじめたことでしたが、わたしにとっては未消化の課題でした。課題に取り組み、大学を卒業できたことで自己肯定感が強まりました。案外、自分は根性があるのかもしれない。そう思えるようになりました。新しいことをはじめるときも、わからなくても、はじめてしまえば、時間をかければなんとかなるだろう、そう思えるようになりました。
<ミドルクライシス(中年の危機)を普通に乗り切った>
40歳を超えるくらいから、体力も急激に衰えてきます。臨床心理学者のユングは文献の中で「人生の正午」という図で人の一生を表しています。午前中を少年期、成人前期、午後を中年期、老人期に区切っています。40歳を超えると急激に衰えを感じるようになり、若さを失うことに焦りを感じたり、無力感を感じるそうです。後半の人生を豊かに賢く生きていくためにも、社会人としての学び直しが必要な時期なのかもしれません。一般的には40〜45歳にかけて気分が滅入ったり、体調を崩したり、伸び悩む時期と言われていますが、わたしは自分のペースで大学で学ぶことに打ち込んんでいたので、中年の危機に陥らずに、後半戦を迎えることができています。ワンピースで例えると、前半の海を終えて、後半の海に入る前に、麦わらの一味たちは各自修行をしましたよね。その修行があったからこそ、後半の海での活躍があるのではないでしょうか。
<もしもの備え>
コロナの影響で業績低迷の会社が増えています。○○○○億円の赤字でボーナスカット、給与3割カット、希望退職募集、関連会社への出向人事が現実のものになっています。転職を考えるときが来たとしたら、大学卒業していたほうが有利なのは、大学全入時代ですから、こちらは説明するまでもないでしょう。学歴が全てではありませんが、いったん仕事につくことさえできれば出身大学を気にする方は少数派でしょう。しかしながら、仕事を探すときに、大学卒業をしていないと応募も受付してもらえず、スターラインに立つことが難しいのも事実です。わたしも就職活動には若い頃苦労した覚えがあります。もしものときが来たとき、大学を卒業したことが役に立つかもしれません。
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